小学生ママ
小学校3年生でローマ字と英語が始まって、子どもが混乱してしまう
小学生ママ
ローマ字を習い始めてから英語力が下がった気がする…
小学校3年生で始まる、ローマ字学習。
ローマ字と英語で混乱し、苦手意識を持ってしまう子どもが急増しています。
ローマ字も英語も、これからの時代に必要な知識です。
この記事では、ローマ字と英語で混乱しないための学習法や、おすすめアイテムをご紹介していきます。
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意外と知らない「ローマ字」とは
ローマ字は、わたしたちにとってなじみ深いアルファベット表記です。
英語のスペルよりも、ローマ字のほうが得意だという人もいるかもしれませんね。
わたしたちも幼少期に習ったローマ字ですが、実は4種類あるということをご存知ですか?
子どもたちは、この4種類のローマ字に触れていくことになります。
世界中に広まっているローマ字は、それぞれの国の言葉をつづるためいくつもの種類に分かれています。
もともとは室町後期以降、ポルトガルの宣教師たちが日本語をつづるときに使われていました。
江戸時代を経て、オランダ語の発音に基づくローマ字が作られると、続々とドイツ式、フランス式のローマ字も定着するようになりました。
そして現代では、以下の4種類が主流となっています。
日本語 | ヘボン式 | 訓令式 | 日本式 | 英語式 |
---|---|---|---|---|
あ | a | a | a | a |
い | i | i | i | i |
う | u | u | u | u |
え | e | e | e | e |
お | o | o | o | o |
し | shi | si | si | shi |
つ | tsu | tu | tu | tsu |
じ | ji | zi | zi | ji |
ち | chi | ti | ti | chi |
ふ | fu | hu | hu | fu |
しゃ | sha | sya | sya | sha |
しゅ | shu | syu | syu | shu |
しょ | sho | syo | syo | sho |
ん | n | n | n | n |
が | ga | ga | ga | ga |
ぱ | pa | pa | pa | pa |
きゃ | kya | kya | kya | kya |
じゅ | ju | zyu | zyu | ju |
っか | kka | kka | kka | ka (with pause) |
つづく | tsuzuku | tuduku | tuduku | tsuzuku |
これら4種類のローマ字について、詳しく掘り下げていきましょう!
ヘボン式ローマ字
ローマ字の種類1つ目は、ヘボン式です。
ヘボンという名前は、横浜で医療活動に従事したアメリカの宣教師・ヘボン(Hepburn)の名に由来しています。
ヘボンは1872年、日本初の和英辞書を刊行した人物でもあります。
ヘボンが携わった和英辞書は、このようなものでした。
日本語をローマ字表記し、さらに漢字のつづりも併記されていますね。
ヘボン式ローマ字の特徴は、以下の通りです。
- 子音は英語ルール
- 母音はイタリア語ルール
たとえば「アンパンマン」という言葉をヘボン式ローマ字で表すと【Ampanman】となります。
ヘボン式の子音は英語のルールが適用されるので、pやbなど特定の子音の前に「ん」の音が来る場合には「n」ではなく「m」になるんです。
日本式ローマ字
ローマ字の種類2つ目は、日本式です。
ヘボン式が「英語の音に偏っている」という指摘を受け、日本語音の表記の整合性を重視するために物理学者・田中舘愛橘(たなかだて・あいきつ)によって作られました。
日本語の五十音に基づくつづりであることが特徴です。
たとえば「ず」と「づ」は、読み方は同じですがつづりが違いますね。
ヘボン式のままだと、どちらも「zu」となりますが、日本式に改訂されると「ず=zu」「づ=du」と区別されるようになりました。
訓令式ローマ字
ローマ字の種類3つ目は、訓令式です。
日本の公教育で教えられるのが、この訓令式ローマ字です!
訓令式ローマ字が生まれるまでは、ヘボン式と日本式の2種類だったローマ字。
しかし、多種類あると学ぶ側が混乱するという意見を受け、1937年の内閣訓令(内閣総理大臣から官庁や職員に対しての指令)により、ローマ字の表記を統一させることになりました。
ヘボン式と日本式の両者を取り入れ、新たに生まれたのが訓令式ローマ字です。
しかし、実際は訓令式ローマ字に日本式のルールが多く適用されており、厳密に統一はされませんでした
学校で教えるローマ字に指定されたということで、訓令式ローマ字は規則性があって日本人向けにデザインされています。
たとえば「た行」だったらta・ti・tu・te・toとすべて「t」を使って表記します。
ヘボン式は英語の音にのっとっているので、ta・chi・tsu・te・toとなりますね。
ややこしいことに、学校で教わるローマ字はこの訓令式であるにもかかわらず、実際に社会生活の中で使われているのはほとんどがヘボン式なんです。
たとえば、駅名の看板を見てみると…
「新橋」というローマ字表記が【Shimbashi】と、ヘボン式になっていますね。
これは、学校で習う訓令式だと【Shinbashi】となりますので、ややこしい部分です。
世界的に名の知れた日本企業のローマ字表記も【Fujitsu】や【Nintendo】など、すべてヘボン式です。
日本で教えやすいように「訓令式」というローマ字が生まれましたが、結局日本人にもある程度の英語知識があるため、ヘボン式のほうが定着しているといわれています。
英語式ローマ字
ローマ字の種類4つ目は、英語式です。
英語式は、厳密にいうとヘボン式のことです。
しかし、先にご紹介したヘボン式は、日本語のつづりを書くためのローマ字。
ここで紹介する「英語式」は、英語のつづりを書くためのローマ字です。
ヘボン式と、ここでいう英語式にはほとんど違いはありませんが、1つだけ大きく異なる点があります。
それは、ヘボン式から「長音記号」を取り除いたものである、ということです。
長音記号とは、音を伸ばすときにローマ字で用いられる以下の記号のことです。
ヘボン式ローマ字の長音は、母音字の上にマクロン(macron)という横棒がつきます。
このマクロンという長音記号が取り除かれたものを「英語式ローマ字」と呼ぶことがあります。
マクロンのあるローマ字表記は、あくまで日本語の伸ばす音を表すものであり、英語にそのような記号は存在しません。
英語の場合は、マクロンがなくても伸ばす音を発音することができるからです。
たとえば、以下の単語を見てみましょう。
- Otani Shohei(大谷翔平)
- Judo(柔道)
- Koban(交番)
マクロンという長音記号がついていなくても、自然に発音できるのではないでしょうか。
昨今では、街で見かける看板や駅構内の地図でも、マクロンが省略された「英語式ローマ字」がみられるようになりました。
この「英語式ローマ字」は、学校で習うことはありません。
しかし、ローマ字と同じタイミングで英語学習も始まるので、さらに混乱してしまうのですね。
なぜローマ字は数種類ある?
なぜローマ字には数種類の表記方法があるのでしょうか。
一言でいうと「目的によって使い分けるため」というのが理由です。
日本語の音を、それぞれの国の言葉を使って表記するためのものなので、必然的に複数の種類が生まれます。
今現在、日本で使われている4種類は以下の通りです。
- ヘボン式
- 訓令式
- 日本式
- 英語式
ヘボン式は英語の音に近いつづりなので、外国の人が読みやすいローマ字。
訓令式および日本式は、日本語の五十音に合わせたつづりなので、日本人に読みやすいローマ字。
そして英語式は、ヘボン式をさらに英語に近い表記とルールにしたローマ字なので、外国の人にはもっとも読みやすいローマ字でしょう。
訓令式と日本式はほとんど同じ形態ですが、もともと「訓令式」は「ヘボン式と日本式の両方を取り入れ読みやすいように」という目的で作られました。
しかし、結局日本式のルールを多く取り入れたことで、ほとんど日本式と変わらなくなってしまいました。
タイピングに慣れている人や、ローマ字を習得し終えたわたしたちは、それぞれの違いについて気にならないかもしれません。
しかし、これからローマ字を習ったり、町中の看板を見てローマ字を読んでいく子どもたちからすれば、苦手意識を持ってしまっても不思議ではないですよね。
なぜ学年によって習うローマ字が変わる?
小学校のローマ字学習は、3~4年生で訓令式を、5~6年生でヘボン式を習うことになっています。
ローマ字には数種類あるというお話をしましたが、2つの目的「外国人に読みやすいローマ字」と「日本人に読みやすいローマ字」は、どちらも重要なローマ字の意義です。
そのため、ローマ字を習う際には上記2つの目的を果たす知識をつけなければなりません。
そのため、4種類のローマ字の中から「訓令式」と「ヘボン式」を小学生でマスターすることになるのです。
ローマ字と英語で混乱する子どもが急増!
小学3年生で「英語(外国語活動)」と「ローマ字」の両方が始まるため、この2つで混乱してしまう子どもが急増しています。
きれいに英語を発音できていた子どもでも、ローマ字を習い始めると"カタカナ英語"に変わっていく…というケースも。
特に未就学児のうちから英語に触れている、わたしたちのようなおうち英語民にとって、ローマ字は天敵なのです。
しかし、ローマ字はタイピングを学ぶために、小学校のカリキュラムに含めることが義務化されています。
ローマ字と英語で混乱する子どもが増えていますが、不幸中の幸いはローマ字を国語の授業で習うこと。
そのため、子どもたちの中では「英語は英語、ローマ字は日本語」という認識が広まりつつあります!
しかし、それでもローマ字と英語では同じアルファベットを使うので、混乱するのも無理はないでしょう。
ローマ字と英語で混乱するかしないかは、2つの違いをどれだけ理解しているかどうかです。
ローマ字と英語が別物だと理解していれば、切り離して学ぶことが可能です。
しかし、ローマ字も英語も理解が中途半端になってしまうと、同じアルファベットを使うためこんがらがってしまうことがあります。
次の項目から、なぜローマ字と英語で混乱が発生するのか、具体的な要因を掘り下げてみましょう。
なぜローマ字と英語で混乱するのか
ローマ字と英語で混乱してしまうのは、シンプルにいうと同じアルファベット(A~Z)を用いるからです。
日本語でも、ひらがなとカタカナが似ている場合、どちらがどちらか分からなくなることがあるでしょう。
ローマ字と英語も、つづりや発音は違いますが使う文字が同じなので、こんがらがってしまいやすいのです。
では、ローマ字と英語で混乱しやすいポイントはどこなのか見ていきましょう。
母音の数が違うから
ローマ字と英語で混乱する理由は、母音の数が違うからです。
ローマ字で「母音」として習うのは、以下5つの音です。
A(ア)I(イ)U(ウ)E(エ)O(オ)
しかし、英語には24もの母音が存在しています。
母音の音が、なぜローマ字と英語の間で混乱を招くのかというと…
ローマ字に母音が5つしかないので、子どもは英語を読むときにもすべての単語に5つの母音を当てはめようとします。
5つしかない母音を英単語に当てはめて読むのは、とても簡単です。
しかし、実際に英語には24もの母音があるため、英語の発音を間違って覚えてしまうということになります。
たとえば【bag】という英単語を読むとき、ローマ字の5つの母音を習っていると「A(ア)」の母音を当てはめて読むでしょう。
しかし、実際に【bag】の母音は「A(ア)」ではなく「æ(ェア)」という母音になります。
※本来はカタカナで表すことができませんが、わかりやすいようにここでは「ェア」と表現しています
つまり、ローマ字で習った母音をそのまま英語に当てはめてしまうと、間違った英語の発音を覚えてしまうことになります。
わかりやすく言うと、英単語がすべて「カタカナ読み」になってしまうのです!
ローマ字と英語はまったく別物だと、子どもに教える必要があるでしょう。
発音が違うから
ローマ字と英語では、発音が違います。
それもそのはず。
ローマ字とは、日本語を使わずに日本語を表すための表記法なので、発音は日本語に近くなるようにデザインされているからです。
しかし使うアルファベットは同じなので、同じような羅列の単語を読むときには混乱が生じるでしょう。
たとえば【karaoke(カラオケ)】という表記があります。
カラオケは日本語由来ですが、sushiやtempuraと同様に海外でも伝わる単語です。
karaokeをローマ字読みすると「カラオケ」となります。
ローマ字は日本語を読むための表記なので、発音は日本語と近い「カラオケ」になるのですね。
しかし、英語では「カラオケ」ではなく「ker.iˈoʊ.ki(クルオゥキィ)」のような音になります。
※本来はカタカナで言い表せる発音ではありません
同じスペルでもまったく違う発音になるため、子どもが読む際「これはローマ字読みかな?英語読みかな?」と混乱する要因となるのですね。
伸ばす記号を使うから
ローマ字は、日本語の音を表すためにアルファベットを用いる表記法です。
日本語で伸ばす音がある場合、それをローマ字に当てはめるために以下の「伸ばす記号」(マクロン)を使います。
- Tōkyō:ヘボン式
- Tôkyô:訓令式・日本式
- Tokyo:英語式
英語式は、ヘボン式をさらに英語に近い形にしたものなので、伸ばす記号は用いません。
子どもがローマ字と英語で混乱する要因となっているのは、英語式を除く3種類のローマ字で使う「伸ばす記号」です。
伸ばす記号は、以下のように日本語で発音する際に「伸ばし棒」を使うことができる音をあらわす際に用いられます。
- お母さん(おかーさん)
- お父さん(おとーさん)
- ラーメン(らーめん)
- ケーキ(けーき)
- 夕ごはん(ゆーごはん)
これらをローマ字で表記しようとすると、訓令式(小3で習う)とヘボン式(小5で習う)ではそれぞれ違った伸ばし棒を使います。
しかし、英語では伸ばす記号を用いるものは1つもありません。
英語で母音を伸ばして発音する場合には、それ相応の発音記号やフォニックス読みが存在するからです。
たとえば、日本料理のメニューに「ラーメン」と表記するとしましょう。
ローマ字で表記すると「Rāmen」もしくは「Râmen」となります。
※お店のメニューの場合ヘボン式が使われることが多いため「Rāmen」となるでしょう。
しかし、英語でメニューを表記する場合には「Ramen」となります。
どれも発音は「ラーメン」となり、伸ばす記号を使っても使わなくても「ラーメン」と読むことができます。
このことから、伸ばす記号を使ったり使わなかったりする表記に町中で出会うことになり、子どもは混乱してしまうのです。
ローマ字と英語で混乱しないためにできること
ローマ字と英語で混乱しないために、家庭学習や子どもへの教え方で気を付けるべきことがあります。
すでに学校では「ローマ字は国語で、英語は英語」だと教えてくれていると思います。
しかしそれだけではインパクトが弱く、まだ混乱の種が拭いきれない子もいるでしょう。
ここからは、ローマ字と英語で混乱しないために幼児期からできること、また小学生以降でできることをご紹介します。
ローマ字と英語が別物だということを教える
ローマ字と英語で混乱しないためにもっとも大切なのは、この2つがまったくの別物だと教えることです。
ここを理解していなければ、子どもはどんどんローマ字と英語がごちゃ混ぜになった沼にはまってしまい、抜け出せなくなってしまうでしょう。
すでに学校では、ローマ字を国語の授業で、英語は英語の授業で教えるという形をとっています。
それだけでローマ字と英語が別物だと理解できる助けにはなりますが、まだ混乱してしまう子もいるでしょう。
子どもがローマ字と英語を同じ言語だと誤解してしまう前に、別物だということを予習しておくと良いかもしれません。
ローマ字より先にフォニックスを習得する
ローマ字読みに引っ張られないためには、最初にフォニックスを習得することが推奨されています。
フォニックスとは、英語のスペルと発音の関係性を覚えるために編み出された音声指導法のこと。
英語圏では未就学児からフォニックスを習い、英単語や文章を読む練習をします。
フォニックスについては、こちらの記事で詳しく解説していますので、気になったら読んでみてくださいね。
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幼児のフォニックス学習法!自宅で今日からできる方法をまとめ
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ローマ字よりも先にフォニックスを習得することで、ローマ字を習ってからも「英語の場合はフォニックス読みをする」と認識できる可能性があります。
そう思われる方もいらっしゃるのですが、フォニックスは乳幼児向けの指導法です。
そのため、フォニックス教材には歌とイラストで楽しく覚える教材や、幼児さんでも発音しやすいゲーム形式になった教材が豊富にあります。
逆に小学生以降のフォニックス教材はあまり豊富ではないので、歌で楽しく学べる年齢のうちに始めておくことをおすすめしますよ。
英単語をローマ字読みで覚えることをやめる
わたしたちは英単語を覚える際、わかりやすいようにローマ字読みに置き換えて暗記をしませんでしたか?
たとばWednesdayは「ウェドネスデイ」、friendは「フリエンド」など、スペルを覚えるためにローマ字読みを活用してきた人は少なくないでしょう。
スペルを覚えるためだけにローマ字読みで暗記する、という方法自体は問題ありません。
しかし、ローマ字の母音に引っ張られてしまうと、最終的に「ウエンズデイ」「フレンド」というふうに、カタカナの音になってしまうでしょう。
英語を覚える際には、ローマ字をヒントに暗記しようとすることはおすすめしません。
このことからも、ローマ字と英語がまったくの別物だということを子どもに教えておく必要がありますね。
ローマ字とひらがなをセットで覚える
ローマ字と英語で混乱しないためには、ローマ字と英語を引き離すことが大切です。
前述したように、ローマ字と英語は別物だからです。
ローマ字は「国語」の授業で習うので、ひらがなとセットで覚えることがポイントですよ。
ローマ字&英語というイメージをなくして、ローマ字&ひらがなをセットにしてしまおう!
ローマ字は日本語をアルファベットで表記したものなので、ひらがなとセットで覚えるのは難しくありません。
このようなポスターを部屋に貼っておくと、ローマ字&ひらがなという組み合わせがイメージしやすいでしょう。
なぜ小学生でローマ字を学ぶのか
ローマ字教育は、1958年(昭和33年)の学習指導要領で必修化されました。
当時は小学校4年生で約20時間、5年生で約10時間、6年生で約10時間をめやすに授業が行われていました。
現在は小学校3年生に引き下げられ、それに加えて英語の授業(外国語活動)も始まったので、今の子どもたちは小学校低学年から大忙しなんです。
それでは、なぜ小学生でローマ字を学ぶ必要があるのでしょうか?
文部科学省が公開している、現行版「小学校学習指導要領(平成29年告示)」の中に、以下のような表記があります。
ローマ字表記が添えられた案内板やパンフレットを見たり、コンピュータを使ったりする機会が増えるなど、ローマ字は児童の生活に身近なものになっていることなどを踏まえ、第3学年で指導するものとする。
このことから、小学生でローマ字を学ぶ理由は主に以下3つの理由が考えられます。
- タイピングに必要だから
- 日本語を英語表記にする際に必要だから
- 英語学習への入口となるから
詳しく掘り下げていきましょう。
タイピングに必要だから
小学生でローマ字を学ぶ理由は、タイピングをする際に必要だからです。
小学校3年生ではパソコンやタブレットを使った授業があり、タイピングを学ぶべき年齢でもあります。
現在、パソコンに日本語を打ち込むにはローマ字入力が必要です。
そのため、タイピングの授業や高校で始まる情報処理の授業に向けて、早い段階でローマ字を習得しておくことが求められているのですね。
日本語を英語表記にする際に必要だから
小学生でローマ字を学ぶ理由は、日本語を英語表記にする際に必要だからです。
もともとローマ字は、日本語を英語表記にするために作られました。
小学生になると、町中でローマ字の看板や交通標識を見かけることが多くなるでしょう。
その際に、なぜ町中ではローマ字表記が行われていて、どのような効果があるのか、子ども自身に考えさせるためにローマ字を学びます。
英語学習への入り口となるから
小学生でローマ字を学ぶ理由は、英語学習への入口となるからです。
この理屈は、わたしたち"おうち英語勢"から批判的な声も多い理由の1つでしょう。
なぜなら、ローマ字と英語は別物だと認識しているからです。
しかし、ローマ字と英語では同じアルファベットを用いるため、1文字1文字を読んだり書いたりするためには、ローマ字を小学生で始めることに意義があるのだそう。
「ローマ字教育不要論」は正しい?
一部で言われている「ローマ字教育不要論」。
実は、わたしもずっとそう思っていました。
しかし、やはり子どもの学年が上がると、ローマ字の必要性を感じるときも出てきました。
そして今は、こう思っています。
日本の現状を考えれば、ローマ字は学んでおくべき。
しかし、これから少しずつでも廃止に近づくといい。
今の時代は、とりあえずでもローマ字は学んでおくべきだと思います。
なぜなら、ローマ字ありきの教育や生活環境(パソコンや看板など)だからです。
しかし、これからローマ字が少しずつでも薄れていき、やがてローマ字がなくても不自由しない日本になったらいいな、と感じています。
それでは、一般的にいわれるローマ字学習不要論について、見解をまとめてみましょう。
ローマ字ができないとタイピングに支障がある
ローマ字が不要だという意見がありますが、ローマ字はタイピングをするのに必要な知識です。
現在のカリキュラムだと、小学生ですでに情報処理の授業やパソコン、タブレットを使った授業が始まります。
タイピングはどの年齢で始めるべきと明確に定義されていませんが、小学校低学年で始めておくとローマ字学習でつまずきにくいといわれています。
ローマ字が始まる小学校3年生では、ローマ字と同時にタイピングも練習するようにし、高学年ではスピードアップできることが理想でしょう。
しかし、一方で「タイピングは"かな入力"でもできるのでは?」という指摘もあります。
わたしたちはパソコンを使う際、ほとんどローマ字入力で対応しているので忘れがちですが、キーボードを見るとひらがな表記がありますね。
ひらがなを使ってタイピングする「かな入力」を子どもたちに教えれば良いのではないか、という意見があるのです。
かな入力のメリットは、ローマ字入力の半分の時間でタイピングができること。
ローマ字では通常、子音と母音の2文字(場合によっては3文字)を打って1文字のひらがなになります。
(例:「か」→「k」「a」)
しかし、かな入力だと該当のひらがなキーを押すだけで入力ができるので、時間の節約になるのだそう!
すでに多くの大人がローマ字入力をマスターしているため、かな入力やキーボードのひらがな表記が不要だという意見があります。
しかし、子どもへの教育がかな入力になれば、同時にローマ字学習の必要性も薄れ、英語とごちゃ混ぜになることもなくなるのではないでしょうか。
ローマ字と英語を一緒に教えるべきではない
「ローマ字入力が不要」とまではいかないものの、ローマ字と英語を一緒に教えることだけは避けるべき、という意見があります。
この点は、すでにローマ字と英語の授業はまったく違うもの(ローマ字は国語、英語は英語)になっているので、心配する必要はないと思います。
わたしは幼児期の頃から英語が好きで、地上波放送されているアニメを英語音声で見てみたり、辞書を引きながら英語の本を読んでみたり、自発的に学んでいました。
しかし、それを喜んだ母親がしたことは、わたしにローマ字を教えることでした。
「英語が好きだからローマ字を教えてあげる!」
そんな親心でしてくれたことと思いますが、今考えると「英語を学んでいる小学生にローマ字知識を植え付けたらアカン…」ということが分かります。
そのせいで英語学習が捗らなかったということはありませんでしたが、今思うとかなりアウトな学習方法だったなと笑い話になっています。
ローマ字と英語を同時に教えるというリスクは、学校教育では問題ありませんが、自宅学習をする上でも意識すると良いでしょう。
先にご紹介した、ローマ字&ひらがなのポスターを活用する、英単語を覚えるときローマ字読みをヒントしないなど、家庭でもローマ字と英語を切り離す工夫をしてみてくださいね。
ローマ字がなくても困らないという意見も
中には「ローマ字がないことで弊害があるのだろうか?」と疑問視する声もあります。
そもそもローマ字とは、以下の条件に当てはまる場合にのみ必要な表記法です。
- アルファベットを母語として使っている
- 日本語の文字を一切使わずに日本語の音を表現したい
- 日本語の固有名詞など翻訳に対応できないものを表現したい
そのため、本来ローマ字が必要なのは、日本の地名や人名などの特殊なケースのみ。
その他すべての日本語をローマ字に当てはめないといけない理由は特になく、ローマ字がなくても支障はないのではないか…
という意見が出始めているのです。
さらに、ローマ字の種類が4つあるとご紹介しましたが、街中の看板やメニュー、駅名、メーカー名に至るまで、4種類ごちゃ混ぜで使われているのが現状ですよね。
自動車メーカーの「マツダ」は「Mazda」と表記しており、これはローマ字4種類のどのルールにも準じていません。
パスポート申請時の名前表記に関しても、ルールはあってないようなもので、名前のローマ字表記は自己申告です。
このように、ローマ字ルールや表記が錯綜した状態で、子どもにローマ字を徹底的に教え込む必要があるのかどうかは、今後も議論の対象となりそうです。
ローマ字学習におすすめの小学生向けドリル
それでは、ローマ字学習におすすめの小学生向けドリルをご紹介します。
おうち英語をしているわが家の基準でおすすめをご紹介しているので、素直に良いと思えなかったドリルは除外しています。
リサーチしていて特に多かったのが、ローマ字と英語が一緒になっていたり、フォニックスまで入っているドリルでした。
学習内容としては良いと思いますが、同時に学習すべきものではないと判断し、おすすめからは外しています。
おすすめの組み合わせ
- アルファベット×ローマ字
- アルファベット×英語
- アルファベット×フォニックス
- 英語×フォニックス
【学研】毎日のドリル アルファベットとローマ字
学研のドリルは、アルファベットとローマ字を同時に、効率的に学ぶことができます。
1日1ページという目安があるので、手軽に学習習慣がつくのもありがたいですね。
「アルファベット」のセクションでは、練習したアルファベットを使って身近な英単語を書く練習もできます。
「ローマ字」のセクションとは切り離してあるので、混乱することなく学べるでしょう。
【学研】ドラゴンドリル アルファベットとローマ字のまき
かっこいいドラゴンが登場し、ドラゴンを復活させるためのシールを貼りながら進めていくタイプのドリルです。
ページを進めるたびにドラゴンが集まっていくので、学習がはかどること間違いなし!
うんこドリル アルファベット・ローマ字
子どもたちに人気のうんこドリルシリーズは、楽しくおもしろいイラストとともにアルファベットとローマ字を学ぶことができます。
お勉強感を感じにくく、めんどうなはずの勉強も大盛り上がり間違いなし!
公式ページでも、英語とローマ字を切り離して考える旨を掲載しており、ドリルの構成にも信頼性が持てます。
すみっコぐらし学習ドリル はじめてのABC ローマ字
子どもに人気のすみっコぐらしのドリルは、ローマ字よりもアルファベットが主体です。
1点気になるのは、商品説明欄で「英語の基本となるアルファベットとローマ字」という書き方をしていることです。
くり返しになりますが、英語とローマ字は別物なので、混在した考え方のドリルであればあまりおすすめできません。
しかし中身を見る限り、アルファベット学習がメインなので、ローマ字と英語を一緒に学ぶような要素はありませんでした。
アルファベット ≧ 英単語 ≧ ローマ字 くらいの割合です。
できる!!がふえるドリル ローマ字
このドリルの魅力は、ローマ字に特化していることです。
ローマ字とひらがなをセットで教えてくれたり、ローマ字で日本の都道府県を表記する練習ができたりします。
ローマ字と英語ですでに混乱している子どもにおすすめです。
小学特訓ドリル ローマ字
このドリルは、商品名の通りローマ字を"特訓"できるものですが、お勉強感が強めです。
ローマ字を徹底的に学習したい子どもや、学習量が多くても苦ではない子どもにおすすめ。
【受験研究社】5分間復習プリント ローマ字
受験研究社が提供しているこのドリルは、反復練習に特化したローマ字プリントです。
アルファベットの反復練習をして、最後にそのアルファベットを使ったローマ字を書く練習ができます。
同じシリーズで「英語版ドリル」も販売しているため、このローマ字ドリルの中に英語が混在していることもありません。
お勉強感は強いですが、無駄がなくすっきりしたプリントで、サイズが小さめなので手軽に取り組むことができます。
【メゾピアノ】小学英語アルファベットとローマ字
学研とメゾピアノがコラボした、可愛いもの好きさんにおすすめのドリルです。
メゾピアノの世界観とともに可愛いものに囲まれて、ローマ字を学習することができます。
アルファベットポスター、クリアファイル、キラキラシールがついてくるので、テンションも上がりますね!
英語学習におすすめの小学生向けコンテンツ
ここからは、ローマ字ではなく英語学習におすすめのコンテンツをご紹介します。
小学校3年生で「外国語活動」が始まりますので、小学校に入ってからも楽しく、効率的に学べるものに絞っています。
英語教材というと、主なターゲット層が幼児や未就学児になるため、小学生用の教材を探すのが難しいですよね。
小学生の英語学習の壁は「お勉強になってしまうこと」です。
幼児期であれば、歌や手遊びで楽しく学べる教材が多くありますが、小学生の英語学習は読み書きも必要になります。
それでは、小学生におすすめの英語学習コンテンツをご紹介します。
英語アプリ
小学生におすすめの英語学習コンテンツは、英語アプリです。
英語アプリは、幼児向けから大人向けまで幅広く展開されています。
豊富な種類の中から、子どもの英語レベルや学年に応じて、楽しく遊べるものを選んでみてくださいね。
小学生におすすめの英語学習アプリは、幼児向けよりも少しだけ複雑なルールがあったり、英語の規則を考えるものになります。
幼児向けは、タップ操作ができれば遊べる単調なものがありますが、小学生はもう一歩踏み込んだレベルがおすすめです。
もし英語初心者で、かつ幼児向けアプリでも楽しく遊べる場合には、幼児向けアプリで英語に慣れるのも良いでしょう。
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英語アニメ
小学生におすすめの英語学習コンテンツは、英語アニメです。
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英語ゲーム
小学生におすすめの英語学習コンテンツは、英語ゲームです。
ゲームといっても、テレビゲームやアプリのようなスクリーンゲームではなく、家族みんなで遊べるボードゲーム系。
英語がペラペラでなくとも、ボードゲームを楽しむことができますよ。
英語に慣れることができ、また英語を聞いたり話したりすることに耐性がつくゲームなので、ぜひ試してみてくださいね。
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TABOOゲーム
TABOOゲームは有名な英語ゲームで、子どもから大人まで楽しめます。
ルールは簡単で、カードを引いて書いてあるお題を英語で説明するだけです。
しかし、お題を説明するには「タブー(禁句)」があります。
タブーワードを使うとアウトなので、タブーワードを避けて、みんなに伝わるよう説明しましょう!
家族で遊んだり、チーム対抗戦をしたりすれば、盛り上がること間違いなしですよ。
I spy ゲーム
I spyゲームは、乳幼児から小学生くらいまで楽しめるお手軽なゲームです。
買うものは特になく、ご自宅にあるポスターや絵本など、絵や写真が描いてあるものなら何でも題材になります。
遊び方も簡単で、まず1人の出題者を決めます。
出題者は、絵や写真を見ながら「これから説明するもの」を1つ決めます。
※決めたら、他の人には言わないでくださいね
易しいレベルにするなら大きくて目立つものを、難易度を上げるなら小さく見えにくいものを選ぶと良いでしょう!
そして、出題者は「I spy...」(私が見ているのは…)から始めて、答えを言わずに何を見ているのか説明していきます。
たとえば、絵や写真の中で「信号機」に決めたとしたら、次のような説明になるでしょう。
- I spy something with 3 colors.(3色あるものを見ています)
- I spy something tall.(高さのあるものを見ています)
- It changes colors.(それは色が変わります)
上記のような説明をヒントに、他の人は出題者が何をspyしているのか当ててみましょう。
英語プリント
小学生におすすめの英語学習コンテンツは、英語プリントです。
英語プリントといっても、お勉強感を感じてしまうとつまらないですよね。
そこで、今回ご紹介するのはTwinklというイギリスの教材メーカーが発行している教材サイト。
Twinklには、イラストがメインの楽しい英語プリントが満載。
「英語の問題を解く」のではなく、知育系やクイズ系の問題が英語で出題されている形なので、ハードルが低いんです。
小学生向けなら、以下のようなプリントはいかがでしょうか。
Twinklのプリント教材は、アカウント登録(無料)のみで使うことができるので、ぜひ試してみてくださいね。
有料版にすると、さらにダウンロードできる種類が多くなりますよ。
まとめ
子どもがローマ字と英語で混乱しないための、学習法についてまとめました。
ローマ字はわたしたちにも馴染みのあるものですが、子どもたちがどのようにして学ぶのかという観点からは、意外と知らないことが多いですよね。
子どもたちは、小学3年生でローマ字と英語がスタートします。
新しいことを次々に始めるので、苦手意識を持ちやすかったりついていけなかったりするかもしれません。
ローマ字や英語が「嫌い!」となってしまう前に、楽しく効果的に学ぶ方法やアイデアを蓄えておきましょう!
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